今回の記事では、平凡な会社員である私(30歳時点で税引前年収440万)が総資産3000万円を達成するまでに実践した節約・倹約術について解説します。
収入が高くない状態でFIREやサイドFIREを目指している方は参考になるかと思います。
本記事は、以下の記事「年収440万の私が総資産3,000万達成までにやったこと」の中から、節約・倹約について焦点を当てた内容となります。
資産を増やすためにできることは3つだけ【収入・倹約・投資】
資産額・貯蓄額を増やすためにできることは、大きな括りで見るとそれほど多くはありません。
ここでは大きく次の3つ、収入・倹約・投資に分類します。
- 本業や副業によって収入を増やす
- 倹約・節約し支出を減らす
- 株式等に投資する
本記事では、この中で私が最も得意とする倹約・節約について記載します。
倹約により支出を減らす
以下は、倹約・節約の具体例です。
一つひとつの効果は小さいかもしれませんが、長期間積み重ねていくと大きな差となります。
- ドコモ、au、ソフトバンク等のキャリアの携帯電話を格安SIMにする
- ふるさと納税を活用し、可能な限り日用品は買わない
- タバコは吸わない
- 酒は飲まない(強制の飲み会があれば難しいですが)
- 支払いは可能な限りクレジットカード等のキャッシュレスにし、ポイントを貯める
- できるだけ外食を減らし、自炊する(残業が少ない人向け)
- お得なキャンペーンを見逃さない(例:コロナ禍のGoTo Eat、新サービス利用によるボーナスポイント等)
- 無駄づかい、衝動買いをしない(買い物はよく検討してから!)
一つずつ見ていきます。
大手キャリアから格安SIMに乗り換えて通信費を下げる
毎月当たり前のように支払っている携帯料金ですが、実は家計における大きな固定費の一つです。ドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリアを利用している場合、月々の支払いは5,000円になることも珍しくありません。
これを格安SIM(MVNO)に乗り換えるだけで、月額1,000円~3,000円程度に抑えることが可能です。年間で計算すると、6万円以上の節約になるケースもあります。
まずは現在の自分の携帯料金とデータ使用量を確認し、格安SIMの公式サイトで料金シミュレーションをしてみましょう。
おすすめは日本通信で、2025年6月時点でのプランを以下の通りです。
※詳細については、必ず公式ホームページでご確認ください。
私は長らくmineoを使っていますが、近々乗り換え予定です。
プラン名 | 合理的シンプル290プラン | 合理的みんなのプラン | 合理的50GBプラン | ネットだけプラン |
---|---|---|---|---|
月額基本料 | 290円 | 1,390円 | 2,178円 | 1,200円 |
データ量 | 1GB | 20GB | 50GB | 20GB(1GB以下は119円) |
無料通話 | なし | ・通話5分かけ放題 ・月70分無料通話 ※どちらかを選択 | ・通話5分かけ放題 ・月70分無料通話 ※どちらかを選択 | 通話なし(データ専用) |
通話定額オプション | ・5分かけ放題:+390円 ・月70分無料通話:+390円 ・完全かけ放題:+1,600円 | ・完全かけ放題:+1,600円 | ・完全かけ放題:+1,200円 | 通話なし(追加不可) |
追加データ | 1GBごと220円 | 1GBごと220円 | 1GBごと220円 | 20GBごと1,200円 |
なぜ安いのか?・・・実店舗をあまり持たず、人件費や設備費を抑えているためです。通信回線は大手キャリアのものを借りているので、通信品質も日常生活ではほとんど問題ありません。
注意点・・・初期設定を自分で行う必要がある、キャリアメールが使えなくなる(Gmailなどで代替可能)、実店舗での手厚いサポートは受けにくい、などの点は理解しておきましょう。
ふるさと納税を活用し、可能な限り日用品は買わない
ふるさと納税は、自己負担額2,000円で、所得に応じた上限額まで様々な自治体に寄付(納税)ができ、返礼品がもらえる制度です。返礼品としてトイレットペーパーやティッシュ、洗濯洗剤、お米、飲料水などを選べば、普段スーパーやドラッグストアで購入している日用品の支出を大幅に削減できます。
岩手県北上市のふるさと納税(ティッシュペーパー)については以下の記事でも紹介しています。
個人的には、ふるさと納税は資産形成する上では必須の項目と考えています。
まだふるさと納税をやっていない方は、「さとふる」や「楽天ふるさと納税」などのサイトで、まずは自分の寄付上限額をシミュレーションし、返礼品を探してみましょう。
タバコは吸わない(百害あって一利なし?)
申し訳ないのですが私はタバコを吸ったことがないため、その依存性の高さは実感として分かりません。しかしながら、資産形成する上では節約したい部分であるため、次のような支出額となることを意識して減らしたいところです。
仮に1箱600円のタバコを週2箱消費すると仮定すると、
- 1ヶ月で約4,800円
- 1年間で約57,600円
- 10年間で576,000円 という莫大な金額になります。
できればタバコは消費する側に回るのではなく、投資して配当金を受ける側になりたいところです。
酒は飲まない
お酒もタバコと同様に、習慣化すると大きな支出につながります。
ただし、職場の付き合いの飲み会は断りにくいのが会社員のつらいところです。
実際、私の職場は非常に飲み会が多いのですが、それを理由の一つとして退職した先輩がいたくらいです。
もし週に1回参加していると、1回あたり4,000円~5,000円の出費となりそれだけで月2万円、年間24万円もの出費になります。
「歓送迎会など節目の会だけ参加する」、「二次会には行かない」など自分なりのルールを設けて、時には勇気をもって断ることも必要かと考えます。
支払いはキャッシュレスを徹底し、ポイントを取りこぼさない
同じ金額を支払うなら、少しでもリターンがある方がお得です。現金で支払うと何も残りませんが、クレジットカードやQRコード決済を使えば、利用額に応じて0.5%~1.5%程度のポイントが貯まります。
例えば、毎月10万円の支出を還元率1%のカードで支払った場合、1ヶ月で1,000ポイント、1年間で12,000ポイント が貯まります。
おすすめは楽天カードで、基本的に1%のポイントが付きます。
注意点として、 ポイントを貯めるために無駄づかいをしたり、ポイントの有効期限切れにしてしまうと本末転倒です。あくまでポイントはおまけと考えつつ、期限切れになる前にさっさと使ってしまいましょう。
できるだけ外食を減らし、自炊する
仕事などで忙しい方には難しいと思いますので、頑張れる人向けです。
特に最近は物価高の影響もあり、外食費がどんどん高騰しています。このような中で外食ばかりしていると、なかなか出費を抑えることはできません。
自炊をすれば、1食あたりのコストを400円程度に抑えることも可能です。
可能であれば、例えばまずは週末だけ自炊する、お米だけは自分で炊く、といった小さな一歩からチャレンジしてみてください。
お得なキャンペーンを見逃さない
常にアンテナを張り巡らせ、「何かお得なことはないか?」と探す姿勢が、周りと差をつける節約につながります。
例えば、少し古い話ですが「GoToトラベル」や「マイナポイント事業」などでも、知っているか知らないかで数万円単位の差がつくことがありました。
以下の記事で紹介している、JREバンクの活用もその一例です。
無駄づかい、衝動買いをしない
よく検討してから買い物をすることが重要です。
私の別記事から以下の通り引用します。
参考記事:「年収440万の私が総資産3,000万達成までにやったこと」より再掲
【家、車】大きな出費で即死級の危険性
私が蓄財できた大きな理由の1つとして、大きな出費をしなかったことが挙げられます。
これは賛否があるとは思いますが、家と車は買わないに越したことはないです。
もちろん、家族がいることや地域性による必要性は理解しています。
実際、私は地方在住ですが、職場で車を持っていないのは私だけで、異常者のような目で見られていました。「こんな田舎を車無しでどうやって生活してんの?」みたいな感じです。ただ、私はバイクと自転車を持っていたので、それでどうにかやり過ごしていました(なお冬は積雪で終わる模様)。
特に家は、定年までローンを組むことになると、蓄財においては再起不能の一発退場となり得ます。
本来であれば、株式等に投資して配当をもらいたいのに、ローンではそれと逆のことをやってしまうんですね。つまり、こちら側が利子を支払わなければならないということです。
家を買った場合、いずれは蓄財・FIREをしたいならば、収入を大きく上げるしかありません。
それが無理ならば、持ち家と自由とを天秤にかけて、いずれかを捨てる覚悟を持つ必要があります。
無駄づかいを思いとどまるコツ
これは紹介されている発信者も多いので聞いたことのある方もいるかもしれませんが、私自身効果が高かったので紹介します。それは、お金を使う前に
その金額を得るために必要な元本はいくらか?
を考えることです。
例えば、コンビニで何気なく買おうとしている500円の高級スイーツがあったとします。これを「ちょっとしたご褒美」と思って買うのもいいのですが、ここで一度立ち止まって考えます。
年利5%の配当を生む投資でこの500円を得るには、いくらの元本が必要か?
答えは、500 ÷ 0.05 = 10,000円です。
つまり、500円のスイーツを「何の気なしに」消費するということは、1万円というお金を働かせて得られる利益をその場で使い切るということと同じなのです。
これを意識しはじめてから、「これは本当に今使うべきお金なのか?」と自然と考えるようになり、無駄な出費をぐっと抑えることができました。
もちろん、楽しみのための支出がすべて悪いわけではありません。大切なのは、「使うときに意識して判断する」ことだと思います。何となく習慣でお金を使ってしまっている人には、ぜひ一度試してみてほしい考え方です。
また、この考え方の副産物として、今まで以上にモノの本質的な価値を見抜こうとする癖がつくようになりました。
なお、あくまで嗜好品に対する考え方で、生活必需品にまで適用するものではありません。
節約は、収入を上げるよりも効果が高い
これは、税制上の仕組みによるものです。少し具体的な例で説明してみます。
たとえば、年収400万円の会社員が「新たに年間30万円を蓄財したい」と考えたとします。このとき、主に次の2つの方法があります。
- 方法①:収入を増やす
- 方法②:節約して支出を減らす
まず方法①(収入を増やす)の場合、30万円を手元に残すには、年収を400万円から440万円に増やす必要があります。なぜなら、給与には所得税や住民税、社会保険料などが課されるため、実際に受け取れる手取り額は額面よりも少なくなるからです(※具体的な試算は下表を参照)。
一方、方法②(支出を減らす)ならば、年間30万円の支出を減らすことができれば、そのまま30万円が手元に残ることになります。なぜなら、支出を減らすということは、すでに課税された手取りの中から出ていくお金を抑えることだからです。
このように、同じ「30万円を蓄財する」という目的に対し、節約のほうが税金や保険料の影響を受けず、高い効果が得られることがわかります。
年収 | 所得税 | 住民税 | 社会保険料 | 手取り |
---|---|---|---|---|
400 | 9 | 18 | 57 | 317 |
410 | 8 | 18 | 59 | 325 |
420 | 9 | 19 | 60 | 332 |
430 | 9 | 20 | 62 | 340 |
440 | 10 | 20 | 63 | 347 |
450 | 11 | 21 | 65 | 354 |
倹約生活は、慣れれば普通になる
私は、倹約や節約を苦痛に感じたことがほとんどありません。
たまに「あれはケチらずに買えばよかったな」と後悔することはありますが(笑)
むしろ「どうすれば現金を使わずに、お得に生活できるか?」を考えるのが楽しいくらいですね。
もちろん、倹約生活を始めたばかりの頃は、多少の窮屈さや不便を感じるかもしれません。
しかし、続けていくうちにそれが当たり前になってきます。まるで毎日の歯磨きや入浴のように習慣化されます。こうなったらしめたもので、後は目標額まで淡々と続けるだけです。
倹約生活がもたらす二重の効果
倹約が習慣化すると、当然ながら支出が減ります。
その結果、FIREやサイドFIREに必要な資産額も少なくて済むようになります。
これが重要な副産物となります。
つまり倹約は、
- 資産形成を加速する
- 経済的自由(FIRE)のハードルを下げる
という二重の効果をもたらしてくれるのです。
さらに、これは不測の事態にも強い武器になります。
たとえば、大きな災害や不幸で資産が減ってしまったときでも、倹約生活が身についていれば、少ない収入でも耐え抜ける力があるということです。
倹約が嫌で、ぜいたくしたいならば…
以上のように、倹約には大きなメリットがありますので、ぜひ習慣にすることをおすすめします。
しかしながら、もしあなたが、
- 「節約してばっかりの人生なんてつまらない!」
- 「お金はパーッとぜいたくに使うことこそが至高!」
というタイプであれば、それはそれでひとつの考え方です。
ただし、その場合は次のどちらかの覚悟が必要です。
- 収入を大きく増やす
- 経済的自由(FIRE)をあきらめる
残念ながら、あれも欲しい、これも欲しいは通用しません。私のように平凡な収入しかないならば、何かを得るために何かを諦めなければなりません。
ただ、最も現実的でメリットが大きいものが、倹約だと考えています。
倹約=我慢ではなく、大切なのはメリハリ
念のために申し添えておくと、私は何も「仙人のような極貧生活を送れ」と言っているわけではありません。あくまで自分ができる範囲で倹約するのが続けるコツです。
趣味などにもお金を使うことはいいことです。あくまで基本的な生活スタイル、メリハリが重要ということですね。
まとめ:倹約は平凡な人がFIREを目指すための最強の武器
本記事では、年収440万円の平凡な会社員だった私が、総資産3,000万円を達成するまでに実践してきた節約や倹約マインドを紹介しました。
資産形成の手段は「収入を増やす」「支出を減らす」「投資する」の3つしかありません。その中でも、収入が高くない人でも実践しやすく、なおかつ即効性が高いのが「支出を減らす」、すなわち倹約です。
- 格安SIMやふるさと納税の活用
- 家や車といった即死級出費の回避
- 「これは元本いくらの価値か?」という投資的思考
- 倹約習慣が生む、FIRE達成ハードルの引き下げ
倹約・節約の取り組みは、決して苦行ではありません。むしろ、慣れてくると歯磨きや風呂のように当たり前になってきます。
もちろん、人それぞれ趣味もあるでしょう。大切なのはひたすら使わないことではなく、倹約をベースにしつつもメリハリをつけることです。
私が同世代の平均年収程度の平凡サラリーマンであるにもかかわらず資産を貯めることができたのは、倹約と投資による部分が大きかったです。
1日単位で見ればほとんど差はありませんが、数年後には大きな貯蓄額に、10年後には何もやっていない人には逆転不可能なくらいの差がつきます。
FIRE・サイドFIREを目指している方は、ぜひ今日から一つでも実践してみてください。
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