今回の記事では、『漫画 バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則』を読んだ感想を書いていきます。
著者は原作:ジョージ・S・クレイソン、漫画:坂野旭、企画:大橋弘祐です。
この本自体は5年くらい前に買ったのですが、なかなか読む時間や気力がなく、最近ようやく読むことができました。
購入時は資産1,000万円もなかったと思いますが、気付けば3,000万円を達成してからの読破となってしまいましたw
資産形成の分野では有名な本ですので、読もうか迷われている方の参考になれば幸いです。
総括:資産形成をしている人なら常識の内容だが、読み物として面白い
本書は全8章(+プロローグ・エピローグ)からなり、ストーリー仕立てとなっています。
プロローグで現代人が古代の石板を見つけ、その内容が本章で解き明かされるといった流れです。
ページ数は466ページと大ボリュームです。
本書では例えば、収入の10分の1を貯金せよとか、欲望に優先順位をつけよといった教えが出てくるのですが、資産形成を続けられている方ならば当たり前にできている内容だなと思いました。
ただ、後半からはどちらかというとマインド面に焦点を当てた内容が多く、思わず感動してしまう場面もありました。
大富豪になるための教えについて
本書では、大富豪になるための7つ道具として、以下が説かれています。
- 収入の10分の1を貯金せよ
- 欲望に優先順位をつけよ
- 蓄えたお金を働かせよ
- 危険や天敵から金を堅守せよ
- より良きところに住め
- 今日から未来の生活に備えよ
- 自分こそを最大の資本とせよ
個人的には、資産形成を続ける上でほとんど当たり前にできていることだなと感じました。
例えば、「1.収入の10分の1を貯金せよ」とありますが、私は1割どころか5割くらいは貯金・投資に回せていると思います。
「2.欲望に優先順位をつけよ」について、欲しいものは慎重に、自分が本当に価値があると感じたものだけにすることは重要です。
「3.蓄えたお金を働かせよ」については、つまり投資することですね。
「4.危険や天敵から金を堅守せよ」では、詐欺や悪徳商品に引っかからないことは重要です。
「6.今日から未来の生活に備えよ」では、貯められるときにしっかり貯めておくことは重要ですね。家庭がある方はもちろん、将来病気になる可能性や職を失う可能性も否定できません。
また、投資的な意味でも、相場が良いときに調子に乗らず、今後訪れるであろう暴落相場に備えておきたいところです。
「7.自分こそを最大の資本とせよ」は私が苦手にしているところです。自己投資や転職などによって収入を最大化することの重要性を説いていると思います。
なお、「5.より良きところに住め」だけは、どうかなと思います。貯蓄したければ、可能な限り家賃は安い方がいいからですね。一方で、利便性が悪いことによってかえって交通コストがかかったり、あまりにも貧相な家でQOLが下がってしまっては意味がないので、バランス感覚が重要であるとは思います。
本書の後半、マインド部分について
個人的には第5章『ザ・ウォール』からが特に面白かったです。
ここからは、資産形成をする上での実用的な話というよりは、マインド面での話となってきます。
第5章『ザ・ウォール』
戦争の話が描かれます。いきなりグロテスクなシーンも描かれましたので、最初かなり驚きました。
この章から、特にファンタジーっぽくなったような(現実離れしたような)感じがしますw
しかし、その後は愛する者のために戦う場面があり、思わず感動してしまいましたね。
第6章『奴隷だった男』
戦争で全てを失った少年に対し、金貸しが取り立てに現れます。
絶望のあまり全てを投げ出しそうな少年に対し、一見無情に見える金貸し凄惨な過去が語られます。
ネタバレになるため詳しくは書きませんが、ここでは自由を求める精神の重要性が説かれており、これまた章末では感動してしまいました。
第8章『王子の商隊(キャラバン)』
少年が大人になり、「金さえあれば働く必要なんてない」と言う若者に対して語りかけるシーンが描かれています。
この章でも深く考えさせられましたね。特にFIREを目指している方にとっては、達成後に必ずぶち当たる問題でもあると思います。つまり、特にFIREを目指している方にとっては、達成後に直面する「これから何を生きがいにして生きていくのか?」という問いと重なる内容だと思います。
定年退職される方も同じかもしれませんね。
特に本書では、少年のこれまでの人生が描かれているために、語りに更に重みが増していると感じました。
まとめ
『漫画 バビロン大富豪の教え』は、資産形成の基礎が物語形式で描かれており、既に実践できている人にとっては再確認の内容も多い一方で、復習の意味で原点に立ち返らせてくれる一冊でした。
特に本書の後半では、単なるお金の話にとどまらず、生き方などマインド面にも焦点が当てられているのが印象的で、読後感も良かったです。
自分自身がFIREを意識する中で、資産形成だけでなく、その先にある生きがいや人生の目的についても考えさせられたのは、大きな収穫だったと思います。
既に資産形成に取り組んでいる方も、これから始める方も、ストーリーを通じて自然に学べる構成になっているので、「今さら…」と思わずに一度読んでみる価値はあると感じました。
単純に読み物としても面白く、お薦めします。
余談ですが、作画担当の方はかなり若いときに本書を執筆したんですね。若いときに原著を読んだ人はどういう感想を抱くのだろうと疑問に思うのと同時に、本書がこれだけ売れればしばらくお金には困らないだろうなという下衆みたいなことを考えてしまいますw
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