3000万円でサイドFIREは可能か?高配当株を活用した現実的戦略

3000万円でサイドFIREは可能か 株式投資その他
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本記事では、資産額3,000万円でサイドFIRE(セミリタイア)が可能なのか、私の経験(高配当株への投資による戦略)をベースとして考えてみます

私は既に総資産3,000万円を達成しており、2024年には税引後の年間配当金額が80万円を超えていますので、サイドFIREを目指している方の参考になれば幸いです。

なお、本記事は個別銘柄の購入をオススメする意図はありませんので、投資判断は自己責任にてお願い致します。

結論:支出額によってはサイドFIRE可能

サイドFIREが可能かどうかは、年間の配当金額と支出額によって決まります。
目安としては、年間支出額の半分以上を株の配当金だけで賄えるのであれば、サイドFIRE可能な水準と考えます。

個人的には、より保守的に考えて、遊興費(趣味等)や交際費を除いた生活費全てを配当で賄える状況であれば、より安全にサイドFIREできると考えます。

前提:なぜ高配当株をベースに考えるか?

本記事では、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)やeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)といったインデックス投資による手法ではなく、高配当株による手法を紹介しています。

高配当株によってサイドFIREを目指す上で最大のメリットは、出口戦略のシンプルさです。

年間支出額に対して配当金で不足する分だけを働けばよい、という極めてシンプルな考えができます。
これは、私がサイドFIREを目指す上で高配当株を選好する最大の理由でもあります。

また、基本的には高配当株に投資した資産は取り崩し対象としない(=これまで蓄財してきたお金には手を付けない)という考え方をします。
つまり、株価の上下による資産額(評価額)の変動があったとしても、配当金が概ね維持されるならば、総資産額はあまり気にしなくても良いと考えることができます。
配当金が維持される以上、資産額はそれ程気にしなくても良いということですね。

ただし、この戦略では配当が生命線となりますので、増配傾向・累進配当の個別銘柄を選定することが重要になってきます。

具体例:サイドFIREに必要な配当と支出額

次のケースを考えてみます。年間配当金は税引後とします。

資産額年間配当金年間支出額支出額に占める配当の割合
ケース13000万150万300万50%
ケース23000万120万150万80%
ケース3
(管理人)
3000万80万180万44.4%

ケース1の場合、年間支出額を配当金で50%賄えるので、残りの150万を働くなりして捻出する必要があります。150万となると、フルタイムの正社員である必要はないものの、例えばアルバイトをするとなるとそれなりに働く必要がありますね。

ケース2の場合、年間支出額に不足している金額は30万となるので、この分だけ捻出すればよいことになります。30万というと、もし副業か何かで稼げている人はそれだけで達成可能な水準で、フルFIREに近い状況となります。

ケース3は、私(管理人)の2024年終了時点のものです。配当で支出額の44.4%しかカバーできておらず、まだサイドFIREには心もとない状況です。それでも、不足分の100万円さえ捻出できればよいので、サイドFIREをやろうと思えば断行できる水準ではあります。

以上のように、サイドFIREを目指す上で年間支出額は非常に重要となります。詳細については後述します。

なぜ配当利回りが異なる?早期から投資する重要性

先程の具体例では、どのケースでも資産3000万円だったにもかかわらず、ケースごとに配当金額が異なっています。
これは、もちろんどの程度資産額を投資に振り向けていたか、どの銘柄に投資していたかも重要ではありますが、連続増配株に投資していた場合、投資時期が早ければ早いほど後々配当利回りが上がるという現象が効いてきます。

具体例で見てみます。
三菱HCキャピタル(8593)は、国内屈指の連続増配株で、2025年時点で27期連続増配となっています。

例えば、この銘柄を2025年6月に株価1,047円で購入した場合、配当利回りは約4.3%となります。
既に高配当と言える水準ですが、仮に2010年に株価340円で購入してずっと持ち続けた場合、購入金額に対する現在の配当利回りは13.3%となります。
2010年の購入時点では配当利回りが1.41%しかなかったわけですが、増配によってどんどん利回りが上がっていったわけですね。

年度(3月期)配当(株式分割調整後)配当利回り
2010年4.801.41%
2011年5.001.50%
2012年6.001.65%
2013年6.501.31%
2014年8.001.58%
2015年9.501.60%
2016年12.302.49%
2017年13.002.34%
2018年18.002.88%
2019年23.504.17%
2020年25.004.70%
2021年25.503.82%
2022年28.004.91%
2023年33.004.82%
2024年37.003.46%
2025年40.003.97%
三菱HCキャピタルの配当推移

この例のように、増配傾向にある株を早期に購入し保有し続けることは、配当利回りを上げるという意味では非常に重要です。
もちろん、増配を維持することや、減配しないことを保証されるものではありません
減配したときに備える意味でも、複数銘柄に資産を分散させることも重要です。

ただし、逆に考えると、減配等のリスクも受け入れ続けたからこそ、驚異的な配当利回りを得ることができたとも言えます

資産の割合(アセットアロケーション)はどう考えるか

先程は、すべてのケースでは資産3000万としました。
現実的には、資産の全てを投資に振り向けるのは難しいです。生活費として残しておく分も必要ですし、リスクをあまり取りたくない人は緊急時用に現金比率を高める必要があるでしょう。

この配分については、完全に個人のリスク許容度によって異なると思いますが、3,000万円まで蓄財することができた人なら感覚的に分かると思います。

管理人の場合、かなりリスク許容度が高いので、現金200万~300万程度だけ残して、残りは株式投資に振り向けるといった配分になっています。

なお、資産額が増えるにつれ、「何%にする」といった割合での配分は当てはめにくくなり、絶対額での対応が必要になってくると思います。例えば、5,000万円持っている人が現金比率20%にすると決めていたとすると、現金を1,000万も持つことになり、個人的には保守的すぎると感じてしまいます。

支出額の重要性

サイドFIREを実現するうえで、最も重要となるのが「年間支出額」です。
いくら配当収入があっても、支出額がそれを大幅に上回っていれば、生活は困難となります。

逆に、支出を抑えることができれば、配当収入だけで賄える割合も大きくなり、サイドFIRE実現のハードルは大きく下がります。

支出額を把握していないと、サイドFIREの可否も判断できない

サイドFIREは、まず「自分が年間でいくら使っているのか」を明確にしておかなければ、そもそも実現可能かどうかも判断できません。
家計簿は必ずつけましょう。

支出が少なければ、それだけでサイドFIREの実現に近づく

先述の具体例では、ケース1では配当でのカバー率が50%であるのに対し、ケース3では44.4%でした。それにもかかわらず、ケース1追加で稼ぐ必要のある金額は150万ケース3では100万となっております。
つまり、「支出額が少ない人」は、サイドFIREの実現にかなり近い人といえます。

私のような平凡以下の収入のサラリーマンの場合、節約・倹約が一番頑張れるところかと思います。
というか、収入を上げることが難しく、かといって投資で大きくリスクを取るわけにもいかないので、倹約を頑張るしかありません。他の平凡なサラリーマンと差をつける数少ない方法であると実感しています。

まとめ:3000万でサイドFIREは可能、完全FIREも視野

今回の記事では、資産3000万でサイドFIREが実現可能か解説しました。
ポイントは以下の通りです。

  • 資産3,000万でも、支出額が少なければサイドFIREは実現可能
  • サイドFIREが可能かどうかは「支出額」と「配当収入」のバランスで決まる
  • 年間支出の半分以上を配当で賄えれば、サイドFIREの目安に
  • 高配当株戦略は、出口戦略が明確で管理しやすい
  • 配当利回りは早期投資+増配銘柄の保有で大きく変わる
  • 倹約は平凡なサラリーマンでもサイドFIREを目指せる最大の武器

総資産3,000万円でも年間の支出額次第でサイドFIREは十分に可能です。
特に高配当株を活用した戦略では、支出と収入のバランスを明確にしやすく、働く時間を最小限に抑える柔軟なライフスタイルを実現することができます。

また、配当戦略においては時間を味方につけることが重要です。早い段階での投資が将来の利回りを大きく引き上げ、同じ銘柄でも配当利回りの差が大きくなります。

ただし、どれだけ配当収入があっても、支出額が大きければサイドFIREは成立しません。
そのため、サイドFIREを目指す第一歩は支出額の把握から始まります。
倹約・節約は地味ですが確実に効いてくる部分であり、平凡な収入でサイドFIREを実現したいならば、頑張るしかありません。

資産3,000万円は、支出額が極めて少ない人ならフルFIREも目指せる水準です。
また、3,000万まで達成すると複利の力が効いてきて、資産の増加スピードがますます速くなってくるのを実感できます。

このため、資産3,000万まで達成できた方ならば、5,000万円達成までそう遠くはないと感じますし、私もそこに向かっているところです。
いま資産形成中の方は、ぜひ資産3,000万円を目指して続けてみてください。

サイドFIREを目指している方の参考になれば幸いです。

なお、「じゃあどの株を買えばいいんだよ」という人に向けて、私の銘柄選定基準を以下の記事で紹介しています。

私の資産3,000万円達成までの道のりは以下の記事で紹介しています。

*投資判断は自己責任にてお願い致します

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