2025年11月TOBハンター構成銘柄【資本効率向上ファンド】

TOBハンター2025年11月期解説 日本株
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今回の記事では、資本効率向上ファンド(愛称:TOBハンター)の2025年11月期の月次報告書について解説します。

TOBハンターの運用状況等を確認したい方の参考になれば幸いです。なお、本記事はTOBハンターの購入をオススメする意図はありませんので、投資判断は自己責任にてお願い致します。

TOBハンターの10月期の月次報告書については以下の記事で紹介しています。

おさらい:TOBハンター2025年8月~10月の状況

項目2025年8月2025年9月2025年10月
基準価額12,000円12,121円12,441円
純資産総額4,132百万円4,291百万円4,645百万円
1ヶ月リターン+4.95%+1.01%+2.64%
設定来リターン+20.00%+21.21%+24.41%
参考指数(TOPIX)+4.52%(1ヶ月)+2.98%(1ヶ月)+6.20%(1ヶ月)
保有銘柄数200銘柄200銘柄197銘柄
組入上位銘柄ジャパンエンジンコーポレーション、 住友ファーマジャパンエンジンコーポレーション、 住友ファーマJMDC、ジャパンエンジンコーポレーション、内海造船
市場別比率プライム約69%プライム約69%プライム約69%
TOB状況芦森工業、黒崎播磨、東洋建設、ユタカ技研、パシフィックシステム三菱ロジスネクスト、セブン銀行(出資比率引上)ダイセキ環境ソリューション、東京個別指導学院、SCSK、ブレインパッド、住友電設、住友理工

2025年11月期パフォーマンス概要

2025年11月期のTOBハンターは、日経平均株価が下落する一方でTOPIXは小幅上昇という相場環境の中、+5.13%という高いリターンを記録しました。

参考指数であるTOPIX(+1.42%)を大きく上回り、設定来9ヶ月連続でプラスのリターンを達成しています。

また、今期は設定来初となる分配金(100円)が確定しています。

基準価額と純資産額の推移【TOBハンター 11月期月次報告書より】
基準価額と純資産額の推移【TOBハンター 11月期月次報告書より】
  • 1ヶ月リターン: +5.13%
  • 参考指数(TOPIX)1ヶ月リターン: +1.42%
  • 3ヶ月リターン: +9.00%
  • 設定来リターン: +30.79%
  • 基準価額: 12,975円
  • 純資産総額: 4,905百万円
  • 分配金: 100円(2025/11)

組入銘柄とポートフォリオ

11月末時点での保有銘柄数は198銘柄です。

組入上位銘柄では、前月8位だった住友ファーマが1位へ浮上しました。また、スカパーJSATや伊勢化学工業などが新たにランクインしています。

No.銘柄コード銘柄名業種上場市場組入比率
14506住友ファーマ医薬品プライム市場1.66%
26269三井海洋開発機械プライム市場1.62%
36016ジャパンエンジンコーポレーション輸送用機器スタンダード市場1.52%
47018内海造船輸送用機器スタンダード市場1.30%
54483JMDC情報通信プライム市場1.25%
61814大末建設建設プライム市場1.24%
76330東洋エンジニアリング建設プライム市場1.22%
89412スカパーJSATホールディングス情報通信プライム市場1.17%
91871ピーエス・コンストラクション建設プライム市場1.16%
104107伊勢化学工業化学スタンダード市場1.11%
2025年11月期 TOBハンター組入上位10銘柄

ポートフォリオの構成は、プライム市場が約71%、時価総額500億円~2,000億円の中型株が約40%を占めています。業種別では情報通信(17.53%)がトップですが、建設(11.79%)、サービス(11.49%)と続いています。

運用概況(2025年11月)

全体の市場環境とファンドへの影響

11月の日本株市場は、日経平均株価が-4.1%と下落した一方、TOPIXは+1.4%とプラスになり、指数ごとの動きが異なる月となりました。

市場の流れとしては、バリュー優位・グロース劣位が明確になり、低PBR(株価純資産倍率)株や高配当株が強さを見せました。

この環境下で、当ファンドが組み入れている「小型バリュー株」が躍進しました。TOB発生件数は多くなかったものの、組入銘柄自体のクオリティや成長性が評価され、TOPIXや日経平均を大きく上回るリターンにつながったとのことです。

11月のTOB実績

11月は以下の1件のTOBイベントが発生しました。また、10月末に発表されたブレインパッドのTOBも収益に貢献しました。

  • キヤノン電子(7739):キヤノンによるTOB(プレミアム +32.4%)

過去のTOB・資本イベント実績

11月に発生したキヤノン電子がリストに追加されています。
※No.1~15は前月分の記事をご参照ください

No.銘柄名イベント直前の株価TOB価格騰落率
16三菱ロジスネクスト日本産業パートナーズ (JIP) によるTOB1,815円1,537円-15.3%
17ダイセキ環境ソリューションダイセキによるTOB1,199円1,850円54.3%
18東京個別指導学院ベネッセホールディングスによるTOB325円450円38.5%
19SCSKSCインベストメンツマネジメントによるTOB4,258円5,700円33.9%
20住友電設大和ハウス工業によるTOB7,620円9,760円28.1%
21住友理工住友電気工業によるTOB2,156円2,600円20.6%
22ブレインパッド富士通によるTOB1,377円2,706円96.5%
23キヤノン電子キヤノンによるTOB2,756円3,650円32.4%

トピックス:ROE病に陥る金融市場が、新たな投資機会を醸成

今月のトピックスは、少し専門的ですが非常に興味深い内容です。

「不動産市況が良い時に、不動産会社のROE(自己資本利益率)が低下するのは問題か?」という問いに対し、レポートでは「ナンセンスな問いである」と断じています。

  • ROE低下のパラドックス
    不動産価格が上昇すると含み益が増え、自己資本(分母)が拡大するため、賃料上昇(利益)が追いつくまでは計算上のROEは低下する。これはむしろ好況の証である。
  • 真のROE
    含み益の増加分もリターン(R)に加えて評価すべき。ソフトバンクGなどは含み益で評価されるのに、不動産デベロッパーがそうされないのは論理的に不整合である。

こうした「教科書的な知識にとらわれた市場の歪み」こそが、ファンドにとっての大きな投資チャンスになっているとのことです。

今後の見通しと戦略

レポートでは、今後の見通しについて慎重な姿勢が示されています。

  • 今後の株価見通し
    • 日経平均48,000円~52,000円のレンジを想定し、下値を意識。
    • 株価上昇のポジティブ要因は織り込み済みであり、関税リスクや米経済減速などのネガティブ要因への注意が必要。
  • 今後の戦略
    • 東証による「資本コスト・株価を意識した経営」の要請は、親子上場の解消や政策保有株の売却を不可逆的に進めている。
    • この流れはファンドに強い追い風であり、引き続きテーマに沿った投資を継続する。

まとめ

今回の記事では、「資本効率向上ファンド(愛称:TOBハンター)」の2025年11月期の月次報告書について解説しました。

11月のTOBイベントは1件(キヤノン電子)にとどまりましたが、日経平均が軟調な中、+5.13%という高いリターンを出しました。

また、今回ついに第1回の分配金(100円)が決定しました。ファンド内で再投資されるのに比べて資金効率は落ちますが、今後TOBハンターにどのように影響するのか要注目ですね。

TOBハンターとは関係ありませんが、先月にはジャパン・インフラファンド投資法人がTOBを発表しました。少し前のカナディアン・ソーラーに続いた形となり、次はエネクス・インフラ投資法人が追随するか注目しています。

実際、ジャパンインフラのTOB発表後、エネクス・インフラの投資口価格(株価)はTOBの期待からか一時急騰しました。私もエネクス・インフラはそれなりに保有していますので、TOBによって含み損を解消させて欲しいものです。


TOBハンターによる投資戦略については以下の記事でも紹介しています。

TOBハンターについて興味のある方は、以下の公式サイトでも確認してみてください(リンク):

資本効率向上ファンド 愛称:TOBハンター - ファイブスター投信投資顧問株式会社
*投資判断は自己責任にてお願い致します

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