今回の記事では、私の基本的な投資スタイルについて紹介します。
私は配当で年80万円の実績がありますので、高配当株・増配株への投資を検討している方の参考になれば幸いです。
本記事では、公開済みの以下の記事で紹介した私の投資スタイルのうち、「高配当株・増配株への長期投資」に絞って、より詳しく解説します。
配当利回りに注目!株価が下落基調のときこそチャンス
前提として、本記事は長期目線での増配株、高配当株投資に対する私の考えを記載したものです。
成長株や短期目線での投資を考えている場合には当てはまらないケースもあるかと思いますので、ご注意ください。
基本的には、業績が安定して良好で、配当利回りが高くなっている銘柄の購入を検討します。
配当利回り = 1株配当金 / 株価 で求められますので、配当利回りが高くなっているということは、株価が割安になっている可能性があります。ただし、注意すべきポイントもありますので、後述します。
個別銘柄の選定方法は以下の通りです。
別記事「総資産3,000万までの道:銘柄選定基準と売り時」より再掲:
高配当株:配当利回り4%以上が目安
配当利回り4%以上が購入の目安です。
長期保有が前提の場合、配当利回り4%に満たない株は基本的に選択肢から外しています(例外は、後述の連続増配株や成長株)。
また、配当実績と配当性向も確認します。
IRバンクというサイトで配当実績等は確認できます。
できれば10年以上非減配が望ましいです。
もしリーマンショックや東日本大震災、コロナショックでも減配していなければ、相当信頼できます。今後も滅多なことでは減配しないであろうと考えられます。
最終的には、事業内容や利益性等も確認して、この会社は潰れるかどうかを考えて購入を決定します。
連続増配株:将来性を見込み3%台でも検討
上記の高配当株では、配当利回り4%以上を購入の基準としていると記載しましたが、その例外の一つが連続増配株です。
連続増配株の場合、購入時点では利回りが低くても、数年後に取得単価から見た利回りが上昇している可能性があります。
これらの場合、配当利回りが3%代でも購入を検討します。
具体例は、みずほリース、リコーリース、芙蓉総合リース、三菱HCキャピタルなどです。リース会社ばっかりですね笑
米国株では、高配当かつ連続増配銘柄のアルトリア・グループ(MO)を持っています。
株価急落は喜んでナンピンに向かえ!
少し過激なことを言いますと、長期目線で高配当株に投資していて、株価の急落で落ち込むタイプの方は、長期投資に向いていないと考えられます。安定的な利益を脅かす等の例外を除き、原則、損切りはしません。
よく言われる話ですが、例えばスーパーの弁当などで半額シールを貼られていると、多くの人が喜んで買いに行くのに、なぜ株の話になった途端その逆の行動をとってしまうのかということです。つまり、
- 株価が上がる ⇒ 安く買うことができなくなるのに、喜ぶ
- 株価が下がる ⇒ 安く買うことができるのに、悲観する
という心理に一般的にはなりがちです。
長期投資家ならば、特に投資し始めた頃は、上記とは真逆の反応をしなければなりません。
すなわち、株価の下落時にはナンピン(追加購入することで平均取得単価を下げること)を検討します。
ただし、株価の下落理由によっては注意が必要です。
その見極めポイントは以下の通りです。
配当性向に注目!配当を出し続けられるかが見極めポイント
株価が急落した際にナンピン(追加購入)を検討するうえで、最も重要となるのが「その企業が今後も安定して配当を出し続けられるか」という点です。
その指標として有用なのが配当性向です。
配当性向とは?
配当性向とは、企業が稼いだ利益(当期純利益)のうち、どれだけを株主に配当として還元しているかを示す指標で、以下のように計算されます。
配当性向(%)= 1株あたり配当 ÷ 1株あたり利益(EPS) × 100
この配当性向が極端に高すぎる場合、企業が無理をして配当を出している可能性があります。たとえば、配当性向が100%を超えている場合、利益以上の配当を支払っており、減配のリスクが高まります。
逆に、配当性向が30~50%前後であれば、比較的安定した配当が期待できます。特に日本企業は内部留保を厚くする傾向があり、配当性向が低めでも減配リスクは小さい場合もあります。
具体例・JT(日本たばこ産業)
具体例を紹介します。高配当株として有名なJT(2914)です。
以下は、JTの配当性向の推移です。
年度 | 1株配当(円) | 配当利回り(%) | 配当性向(%) |
---|---|---|---|
2016 | 130 | 3.38 | 55.2 |
2017 | 140 | 3.86 | 63.9 |
2018 | 150 | 5.73 | 69.7 |
2019 | 154 | 6.33 | 78.6 |
2020 | 154 | 7.33 | 88.1 |
2021 | 140 | 6.03 | 73.4 |
2022 | 188 | 7.07 | 75.4 |
2023 | 194 | 5.32 | 71.4 |
2024 | 194 | 4.75 | 192.2 |
2025 | 194(予想) | 4.45(予想) | ― |
※2024年の配当性向は、訴訟損失引当金の影響を除く場合74.3%
JTは2005年3月期以降、連続増配を継続していましたが、2020年12月期に年間配当額が横ばいとなったため、連続増配はストップしてしまいました。さらに、2021年12月期の配当が1株あたり140円となり、1994年に上場して以来、初めての減配となりました。
JTはもともと配当性向が高かったものの、2020年の配当性向88.1%あたりで増配に限界が見え始めており、それを織り込むような形で株価は下落しました。
以下は、JTの10年チャートです。

私自身、2020年に配当性向が88.1%になると分かった段階で、「これ以上増配は厳しいだろうな、減配が発表されれば株価は下落するだろうな」などと考えていました。大多数もそのような意見だったと思います。
その後、実際にJTは2021年に、「2026年12月期まで配当性向75%程度を維持すること」を発表して減配となり、株価は下落しました。
しかし、冒頭の別記事で紹介している通り、総合的に勘案して買い増す(ナンピン)判断をしています。
別記事「総資産3,000万までの道:銘柄選定基準と売り時」より再掲:
最終的には、事業内容や利益性等も確認して、この会社は潰れるかどうかを考えて購入を決定します。
不祥事や業績悪化等、何かしらの原因で暴落があったときは、配当利回りが一気に上がるチャンスの可能性があり、そのようなときに「この会社は存続し続けられるか」「世の中に必要な商品・サービスか」「配当を維持できるほどの利益を上げられるか」などを考えます。
もしこれらの答えが全てYesなら、時間とともに株価は回復していくというのが経験則です。
具体例としては、JTを配当利回り7%の頃に株価2,200円で買いました。その後減配があり、暴落する局面があったのですが、「圧倒的な利益率」や「たばこが世の中から(すぐに)なくなることはない」という判断から、むしろ買い増ししました。結果論ですが、2024年には株価4,000円を超えています。
今回のJTの例では、かなりリスクを取りに行った形ではありますが、長期投資においては「株価が下がって利回りが上がったから買う」という視点だけでなく、「利益を安定的に稼いで、配当を出し続けられるか?」という視点が重要になってきます。
余談ですが、私の投資歴で最も成績の良い銘柄はJTです。
ただし、今のJTの株価は高いと感じており、この水準であれば買いません。
まとめ:長期投資には逆張りの精神が必要
本記事では、私が実践している高配当株・連続増配株を中心とした長期投資スタイルについて紹介しました。以下のポイントを重視することで、年間80万円の配当収入と総資産3,000万円を達成してきました。
投資スタイルの主な特徴
- 高配当株は配当利回り4%以上を目安に選定
- 連続増配株は将来の利回り上昇を見込み、利回り3%台でも検討
- 株価急落時はむしろチャンスと捉え、安易な損切りはせず、見極めてナンピン
- 配当性向を重視し、無理のない配当維持が可能かを必ず確認
JTの具体例
- 配当利回りだけでなく企業の稼ぐ力の継続性を見極めて投資判断する姿勢が重要
- 減配リスクが高まる配当性向には注意が必要
長期目線での増配株・高配当株投資は、「安定的に配当を出し続けられるか」が鍵になってきます。この前提の中で、株価急落は買いのチャンスということになります。
増配株・高配当株への投資を検討されている方の参考になれば幸いです。
なお、総資産3,000万までの全銘柄の配当実績記録については、以下の記事から読めますので、ぜひご覧ください。
コメント