今回の記事では、私の銘柄選定基準や売り時について、具体的な数銘柄をもとに解説します。
私は配当で年80万円の実績がありますので、高配当株への投資やFIREを目指している方は参考になるかと思います。
なお、あくまで一個人の記録であり、特定の銘柄の売買を推奨する意図はありませんのでご了承ください。当時と業績や配当状況が大きく変わっている銘柄もありますし、あくまで投資判断は自己責任でお願い致します。
普通にインデックス投資に負けている年もあります。
また、総資産3,000万までの全銘柄の譲渡益(キャピタルゲイン)や受け取った配当実績記録については、以下の記事から読めますので、ぜひご覧ください。
私の投資スタイル、銘柄選定基準
資産内訳
現金10%、国内株式70%、外国株式15%、投資信託5%となっています。
※投資信託は、新NISAの積立投資枠向けに使っているイメージで、S&P 500を保有しています
生活防衛資金として現金200万円~300万円程度だけ残して、あとは株式に投資するという方針です。
もちろん、割安な時期に買いたいので、相場の状況によって割合は変動します。
高配当株
配当利回り4%以上が購入の目安です。
長期保有が前提の場合、配当利回り4%に満たない株は基本的に選択肢から外しています(例外は、後述の連続増配株や成長株)。
また、配当実績と配当性向も確認します。
IRバンクというサイトで配当実績等は確認できます。
できれば10年以上非減配が望ましいです。
もしリーマンショックや東日本大震災、コロナショックでも減配していなければ、相当信頼できます。今後も滅多なことでは減配しないであろろうと考えられます。
最終的には、事業内容や利益性等も確認して、この会社は潰れるかどうかを考えて購入を決定します。
不祥事や業績悪化等、何かしらの原因で暴落があったときは、配当利回りが一気に上がるチャンスの可能性があり、そのようなときに「この会社は存続し続けられるか」「世の中に必要な商品・サービスか」「配当を維持できるほどの利益を上げられるか」などを考えます。
もしこれらの答えが全てYesなら、時間とともに株価は回復していくというのが経験則です。
具体例としては、JTを配当利回り7%の頃に株価2,200円で買いました。その後減配があり、暴落する局面があったのですが、「圧倒的な利益率」や「たばこが世の中から(すぐに)なくなることはない」という判断から、むしろ買い増ししました。結果論ですが、2024年には株価4,000円を超えています。
連続増配株
上記の高配当株では、配当利回り4%以上を購入の基準としている記載しましたが、その例外の一つが連続増配株です。
連続増配株の場合、購入時点では利回りが低くても、数年後に取得単価から見た利回りが上昇している可能性があります。
これらの場合、配当利回りが3%代でも購入を検討します。
具体例は、みずほリース、リコーリース、芙蓉総合リース、三菱HCキャピタルなどです。リース会社ばっかりですね笑
米国株では、高配当かつ連続増配銘柄のアルトリア・グループ(MO)を持っています。
株主優待銘柄
配当+優待の利回りが5%以上の銘柄を購入候補としています。
例外として、自分の欲しい優待株や、長期保有によって利回りアップが見込める銘柄は購入を検討します。
例えば、ビックカメラやコジマです。
余談ですが、桐谷さんは配当+優待の利回りが4%以上を基準としているそうですね。
成長株(グロース株)
あくまで総資産の10%程度を限度とし、短中期投資目的の成長株投資もやっています。
ただし、この手法はギャンブル性が高くオススメできません。
手法としては、直近数年の業績が著しく上がっている銘柄のうち、最近大きな出来高を伴って株価が上昇し新高値を付けたものに投資するという方法です。
なお、この際、PERは気にしません。
この手法は、後述のコロナ禍で勉強した投資本の中に以下の成長株投資のものがあり、実践しました。
結果として、2021年にケアネットを買いそこそこ利益を出すことはできましたが、同じく2021年のミンカブ・ジ・インフォノイドで大きく損失、また2025年にはエコナビスタで低価格TOBによる強制ロスカット状態となり大損しました。
これまでの投資経験から、結局、大型株や高配当株のほうが長期的には大きなリターンを得られるというのが実感です。
売り時はいつか
最も難しい問題です。今も正解は分かっておりません。
永久保有が良いんじゃないかと思うときもあるし、それなりに含み益が出たら売った方がいいのではと思うこともあります。
その中で、私の中のいくつかの基準をご紹介します。
■売らない【長期目線】
連続増配株が対象です。
基本的に利回りが上昇し続けるので、減配や減配リスクが現れない限り、保有を継続した方が良いと考えます。
上手くいけば、購入して10年間持ち続けた場合に、買値に対する利回りが20%超えも夢ではありません。
株価も上げ下げしながら、右肩上がりになることを期待します。
■+100%(ダブルバガー)の売却益が得られるとき【中長期目線】
特に大型株において、半年とか1年で株価が2倍になった場合、短期間で上げすぎているため、その後調整が入ることが多いと感じます。
もちろん一時的に調整したとて、長期的には上昇する可能性はありますので、ずっと持ち続けても良いと思います。
ですが、高値で売って、少し下がった後に買い戻すという、いわゆる「うねり取り」ができるのではないかと思うこともあります。
具体例を2つ紹介します。
一つ目は、MS&AD(8725)です。

私は2023年6月頃、株価1,600円台のときに購入し、その約1年後に3,800円まで上昇しました。流石に1年間で上がり過ぎか?と思ったものの、権利確定日が近づいてきたこともあり保有継続。結果的に、その1か月後に3,000円まで下げました。
さらにその4か月後、3,500円を奪還しています。
このケースでは、上がり過ぎではないかという直感を信じていれば、もう少しうまく利益を取れていたのではと思います。
ただし、日経平均が似たような動きをしていたおり、8月には歴史的暴落が突然あったので、実際には予測するのは難しかったと感じます。
二つ目は、ラウンドワン(4680)です。

こちらは、2024年4月に株価700円弱で購入したのち、2倍近くなった2025年1月に1,300円で利益確定しました。
その後のチャートを見ると、下落基調を続けており、現時点では正しい判断だったということになります。
もし今後株価の下落が続き、配当利回りが上がるようなことがあれば、買戻しを検討したいです。
そういう意味では、株価が上がったことにより配当利回りが低くなり過ぎたときは売りを検討するタイミングなのかもしれません。
■配当利回りを超える売却益が得られるとき【短期目線】
権利確定日が近く、かつ連続増配年数または非減配年数が短い銘柄が対象です。
例えば、配当利回りが5%の銘柄で、権利確定日の前に含み益が10%を超えた場合に、権利落ち日の前にもう売ってしまおうという作戦です。
これは、特に配当金額が安定しない銘柄の場合、権利落ち日の株価の下げが配当金よりもかなり大きい傾向にあるという経験則からです。
配当の支払いが年2回ではなく、年1回の銘柄も似たような傾向にあると思います。
具体例として、OSGコーポレーション(6757)を挙げます。

権利確定日の2025年1月29日時点で終値1,032円でしたが、その翌日にはなんと891円まで下げました。なお、配当金は40円(年1回)です。
その後もずるずると下げ続けており、このケースの場合、権利確定前に売ってしまった方が良かったということになります。
ちなみに、2024年も同じような推移となっています。
■10%の含み益で売却【短期目線・成長株】
成長株はボラティリティが激しく一番難しいのですが、経験上、+50%などを目指しても中々達成できず、+10%程度で売ってしまうのが良いというのが持論です。
+10%になっても持ち続けた結果、その後一転下落し続け、二度と戻ってこなかったというパターンも多かったです。
私がインデックス投資よりも個別銘柄投資を好む理由
いずれもやっておりますが、次の理由で個別銘柄投資の方が好きです。
■楽しい
単純に個別の企業の将来性などを考えたり、財務状況を確認したりするのは楽しいですね。加えて、以下のようなメリットもあります。
■株主優待がもらえる
優待でただで買い物できるのは最高です。
ちょっとした優越感すら覚えます笑
普段行かない店や、普段買わないものを見るきっかけにもなりますし、個別株投資の醍醐味の一つだと思います。
ビックカメラやミニストップの株価が下がっているときに買えたのはラッキーでした。
■ポートフォリオを自分で組める
分散投資するも集中投資するも自由です。
私はディフェンシブ銘柄を多めにして、株価暴落時のショックを和らげるような構成になるよう心掛けています。
■配当金で強制的に利益確定
配当金の支払いとは、本質的には株主資本から個人への移動(=部分的な利益確定)となります。
インデックス投資信託の場合、自動的にファンド内再投資するものも多いですが、配当金でもらった場合、その使途は自由です。
株価が下がっている銘柄を買い増すもよし、遊びに使うもよしで選択肢が多いと感じます。
また、ポートフォリオのリバランスをしやすいのも大きなメリットだと感じますが、ネット上でインデックス投資と比較される際に言及されているのをあまり見ません。
■TOBで棚からぼた餅のチャンス
割安で買えた銘柄の中には、後にTOBになるものも多いと感じます。
やはり買収する側も、「株価の安い今がチャンスだ」と考えるのでしょうか。
例えばこれまで、タカラレーベンインフラ投資法人、ベネッセホールディングス、ティーガイア等で利益を上げることができました。
■余計な手数料を払う必要がない
とはいえ、現在のインデックスファンドは相当安くなりましたが…
■日々のニュースで儲けるチャンス
例えば、2023年にビックモーターの不祥事が発覚し大々的に報道されたとき、なぜか不祥事とは無関係と思われる関連銘柄のネクステージの株価も暴落しました。
あまりにも下げ過ぎたときに買っていれば、その後ある程度株価を戻したので、利益を取れていました。
※ただし、その後ネクステージは本当に不祥事があったことが発覚し、株価は下落基調です
上記の例では本当に不祥事がありましたが、株式市場ではポジティブニュース/ネガティブニュースに対して過剰に反応することがあるので、冷静にチャンスをうかがっていきたいところです。
私がバイブルと呼んでいる投資本
「株式投資の未来」と「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド」です。
いずれも、アメリカの経済学者であるジェレミー・シーゲル氏が著者です。
名著なので読んだ方も多いのではないでしょうか。
コロナショックのとき、暴落の恐怖から損切りするかどうか判断するため様々な投資本を読んだ中で、当時の私に最も刺さった本です。
コロナ後の私の投資方針は、この本から多大な影響を受けています。
ざっくり概要を説明すると、最も高いリターンをもたらす銘柄とは、利益を長い間上げ続けており、かつ株主に配当を出し続ける会社であり、そういう銘柄に長期投資すべきだというものです。
1冊を通して、ほとんど上記の理由等を説明しています。
この本が有象無象の日本の株式投資本と異なるところは、ひたすら過去のデータを用いて考察しているところです。
日本の投資本は、「たった~ヶ月で〇〇億円稼ぐことができました!」のような、再現性がなさすぎるものがほとんどです。主観的な情報が多すぎて、全然参考になりません。
その点、上記のシーゲル氏の本は、ひたすらデータに基づき分析しており、しかも金融学者(教授)が書いているので説得力があります。
最も印象に残っているのは、「データを分析するまで、私自身このような結果になるとは思わなかった」という趣旨の記載があったことです。
この本で書かれている「下落相場のプロテクター、上昇相場のアクセル」という安定的な高配当株に対する考え方が私の長期投資の支えとなり、この後実際に5年間投資してみてその通りだったなという感想です。
私の投資歴で最も成績の良い銘柄は、配当込みだと日本たばこ産業(JT)です。
終わりに:年収500万でも資産3,000万に
年収500万円程度しかない私でも、総資産3,000万、年間配当80万を達成することができました。
このため、このくらいの水準には誰にも到達できるチャンスがあると思います。
私は投資を始めてからここまで到達するまで8年ほどかかりましたが、もう少し収入がある人なら、さらに早いスピードで到達できることと思います。
私は最終目標を、総資産5,000万円とサイドFIRE達成としていますが、あと3~4年あれば実現できると思っています。資産形成している方ならわかると思いますが、資産が増えれば増えるほど、資産の増加スピードが雪だるま式に速くなるのを実感しています。
なので、総資産5,000万円達成後、1億円達成も正直時間の問題であると考えており、もはや資産を減らす方が難しい段階に入ってきていると感じています。
投資スタイルは個人の性格や考え方によって千差万別ありますので、皆さんが自分に合った方法で資産形成に成功されることを願っております。
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