今回の記事では、社員持株会・従業員持株会への加入を検討するにあたって、私の個人的な見解と判断基準をご紹介します。
私は配当金で年80万円の実績があり、その一部に社員持株会への投資も含まれていますので、持株会をやるべきか検討されている方は参考になるかと思います。
なお、給与を得る先と投資先が同じことによるリスク等については議論し尽くされている話かと思いますので、ここでは言及しません。
結論:会社による
身も蓋もない話で恐縮ですが、対象の会社と制度によります。
社員持株会のメリット・デメリットは、その企業の業績や奨励金制度、株式の流動性などによって大きく左右されます。
持株会は詰まるところ、個別株への投資となります。
個別株としての安全性と、奨励金の割合、そして換金性を考慮して判断するとよいと思います。
また、これらの状況によって、やるかやらないかではなく、拠出額(掛金)の大きさで調整するというやり方も良いでしょう。
一つずつ見ていきます。
個別株としてどうか
個別株投資と考えて、次の内容について確認します。
- 安全性は高いか?
- ディフェンシブ株か?
- 参入障壁は高いか?
- 世の中に必須製品・サービスを提供しているか?
- 増配状況と今の配当利回りは?
基本的に持株会は毎月の買付になるかと思いますので、長期投資に向いているかも重要です。
持株会とは関係なしに、個別株として長期的に保有するに値するか?を考えると分かりやすいかもしれません。
奨励金の割合はどうか
買付額に対して、何%の奨励金が付加されるかは重要です。
例えば、5%程度しか上乗せされない場合、あまり持株会に固執する必要はないように感じます。
反対に、仮に20%も奨励金がもらえるなら、多少リスクのある銘柄だったとしても持株会に入るメリットは大きいと思います。少しくらい株価が下落したとしても、奨励金分でカバーできるからですね。
また、持株会への加入年数によって奨励金が変動する会社もあるかと思います。
例えば、加入後3年間は5%の奨励金だけど、4年目以降は15%といったケースです。
この場合、基本的に前述の個別銘柄としてどうかが判断基準になるかと思います。魅力的な投資対象であるなら、少額でもじっと持ち続けたほうがリターンが得られる可能性が高いと思われます。
換金性はどうか
持株会で買い付けている株式を、すぐに引き出せるかどうかは重要です。
例えば、申請してから数か月かかるとか、そもそも申請フローが面倒である場合、かなり大きなデメリットとなります。
不祥事や業績悪化により株価が下落し続けているとき、すぐに損切りできないというリスクも抱えることになります。
おまけ:低リスクで奨励金分の利益を得る方法
裏技的な話で、低リスクで奨励金分の利益を得る方法があります。
これは、すぐに持株を現金にできる制度の場合のみに使用できる方法です。
やり方は簡単、毎月買い付けている持株を、その都度すぐに売るというものです。
特に大型株であるほど、株価は安定している傾向にありますので、買ってから売るまでの株価の変動は低いことが期待できます。
もしも買ったときと売るときの株価が同じならば、奨励金の分だけ利益を取れるということになります(売買手数料を除く)。
ただし、例えば株価が高い銘柄で、かつ100株単位でしか引き出せないなどの制約がある場合、毎月売ることは難しいので、ある程度の株価変動リスクを受け入れる必要があります。
まとめ
持株会に加入するかどうかは基本的に会社によりますが、以下の3点を考慮して総合的に判断します。
- 個別株としてどうか
- 奨励金の割合はどうか
- 換金性はどうか
なお、私の場合は、自分の会社が投資対象に資すると判断し、多めの拠出額で持株会を続けています。ただし、半年に1回拠出額を変更できるので、その時の株価によって決めています。
株価が短期的に急騰している場合は過熱感があると判断し掛金を控えめにし、逆に業績に問題がないのに株価が低迷している場合は拠出額を増やすといった塩梅です。
結果的にはあまり大きなリターンは得られていないものの、奨励金+配当金の分だけプラスになっているようなイメージです。
コメント