株の損出しは意味ないのか?メリット・デメリット解説

株の損出しは意味ない?メリット・デメリットを解説 株式投資その他
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今回の記事では、アドバンスクリエイトの事例をもとに、株の損出しの効果とメリット・デメリット解説します。

損出しとは何か知りたい方や、損出しすべきか検討している方の参考になれば幸いです。

アドバンスクリエイトが優待廃止を発表!株価急落

2025年7月2日、保険代理店を運営するアドバンスクリエイトが株主優待の休止を発表し、翌日の取引で株価はストップ安まで急落しました。

同社はこれまで、年1回のカタログギフト(4180円相当)や優待サービスで高利回りとなる優待株として個人投資家に人気でした。
しかし業績の悪化に伴い、2025年9月実施分から優待は休止となりました。
これにより7月3日の株価はストップ安の318円となり、前日終値398円から約20%も下落しました。今後の株価にも大きな影響を与えそうです。

私自身、アドバンスクリエイトの株を保有しており、大ダメージを被っています。
こうした優待廃止を伴う株価の急落は、個別株投資を実践する個人投資家にとっても大きなリスクとなります。

管理人のアドバンスクリエイトの保有状況。率で言うと過去最大の損失となりそうです…

これを受けて、私は「損出し」を検討しています。
今回は、損出しのメリットとデメリットを整理します。

損出しとは?メリット・デメリット

株の損出しとは、含み損が出ている銘柄を意図的に一度売却し、損失を確定させて他の株の譲渡益と相殺して節税するテクニックです(損益通算と繰越控除による税金対策)。

例えば、次のようなケースを考えます。

  • 含み益のある銘柄A:利益20万円
  • 含み損のある銘柄B:損失20万円

この場合、Bを売って損失を確定させれば、課税対象の利益をゼロにでき、本来払うはずだった譲渡益税(約20%)を節税できます。

損出しの3つのメリット

メリット1:損益通算で譲渡益税を減らせる

先程の解説の通り、株の利益(譲渡益)には約20%の税金(所得税+住民税+復興税)がかかりますが、損出しすることにより損失と利益を相殺でき、結果として支払う税金を減らせます。

より具体的な例で見てみます。※額が小さいため復興税は省略

  • A株で50万円の利益 → 約10万円の税金
  • B株で30万円の損失 → 損出しして相殺
  • 50万円−30万円=20万円の利益に減り、税金も約4万円に!

この場合、損出しをしなかった場合10万円の税金がかかりますが、損出し後の場合は4万円の税金となり、差額の6万円が還付されることになります。
※上記の例では、分かりやすさのためA株、B株としていますが、実際には利益・損失は全ての株のトータルで考えます。

メリット2:繰越控除で将来の節税にも役立つ

もし損出ししても利益と相殺できなかった場合(損失の方が大きかった場合)、確定申告すれば最大3年間繰り越しが可能です。

例えば今年30万円の損失を確定し、翌年60万円の利益が出た場合、損失を繰り越して利益を相殺できるため、翌年は30万円分までの利益に対する課税額を減らせます。

メリット3:ポートフォリオの健全化につながる

含み損を放置して塩漬けは資金効率が悪化します。

今回のアドバンスクリエイトのように、優待休止+業績悪化で復活見込みが薄い銘柄は、「いつか戻るはず…」と根拠なく放置するより、一度損を確定させ、将来性のある銘柄に資金を移す方が資産全体の改善につながる可能性があります。

損出しのデメリットと注意点

デメリット:損失が確定するリスク

損出しは損を確定するので、売却後に株価が反発した場合に後悔するリスクはあります。
将来的に回復すると強く信じるなら、無理に売る必要はありません。

注意点:「損出しクロス」は同日売買NG!

将来性のある銘柄を損出し後すぐに買い戻す、いわゆる「損出しクロス」をする場合は、同じ日に売って同じ日に買い戻すのはNGです。

税法上、同一日に売買すると損が計上されず、節税効果を失います。必ず翌営業日以降に買い戻すようにしましょう。

個人的な損出し検討ポイント

これは損切りすべきか検討するポイントに近いですが、以下のようなものです。

  • 今後、業績が回復する見込みがあるか
  • 世の中に必要とされるモノ・サービスを提供しているか
  • 配当性向にまだ余裕があるか
  • 当期純利益が14億3000万円の赤字(前回予想は8億4000万円の赤字)
  • 上記の答えでNoが多く、今年、既に確定した譲渡益がある場合
    ⇒すぐさま税金が還付されるため

今回のアドバンスクリエイトの例では、2025年9月期(通期)の当期純利益が14億3000万円の赤字(前回予想は8億4000万円の赤字)となっており、優待廃止により配当・優待利回りが0%となったことで、個人的には損出し実行の水準となりました。

まとめ:損出しは重要な節税テクニック

今回の記事では、管理人が保有するアドバンスクリエイト株の急落をきっかけに、含み損を抱えた際の有効な戦略である損出しについて、そのメリット・デメリットを解説しました。

損出しの最大のメリットは、損益通算によって他の株式投資で得た利益と相殺し、支払う税金を減らせる点にあります。さらに、相殺しきれない損失は繰越控除で最大3年間繰り越すことができ、将来の節税にも繋がります。

今回のアドバンスクリエイトのように業績悪化が株価下落の要因である場合、将来性の低い銘柄を手放し、より有望な投資先に資金を振り向ける「ポートフォリオの健全化」という重要なメリットもあります。

もちろん、売却後に株価が回復してしまうリスクや、損出しクロスを行う際の注意点も存在します。

個人的には、損出しは重要な節税テクニックだと思いますが、投資歴9年にもかかわらず最近まであまり意識しておりませんでした。長期投資においてはあまり本質的な話ではないので、ネット上の投資解説でもあまり主題になっていないのが要因の一つかと思います。

特に年末にポートフォリオを整理する際には役立ちますので、今後は積極的に検討していきたいですね。

なお、私の個別株の選定基準については以下の記事から読めますので、ぜひご覧ください。

*投資判断は自己責任にてお願い致します

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