2025年6月30日、ヒューリック株式会社はカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人(証券コード:9284)に対して公開買付け(TOB)を実施することを発表しました。今回はその内容を確認し、今後の個人的な投資判断について書いていきたいと思います。

なお、インフラ投資法人の仕組みやカナディアンソーラーの事業概要等については割愛しますので、興味のある方は別途調べてみてください。
IR情報は以下の公式サイトにて確認することができます。
◆カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人IRリンク

TOBの概要
今回のTOBの概要を表にまとめると、以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
公開買付者 | ヒューリック株式会社 |
対象 | カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人 |
買付価格 | 1口あたり86,710円 (6月27日終値【75,400円】比+15%のプレミアム) ※7/3終値で81,500円 |
買付口数 | 発行済投資口の20%(85,885口) |
上場維持 | 上場廃止目的ではなく、買付け後も上場維持 |
ヒューリック側の狙いと目的
ヒューリックは今回のTOBを純投資として位置付けており、経営権を握る目的ではありません。
- 割安性の評価
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の市場価格が、保有資産価値(NAV)に比べて割安と判断。 - 再エネ事業の強化
ヒューリックは1,000億円規模の系統用蓄電池投資など、再生可能エネルギー分野を積極強化中。
今回の出資を機に、カナディアン・ソーラー・グループとの協業で事業拡大を目指す。 - 会計上のメリット
持分法適用関連会社化(20%保有)により、投資口の時価変動が決算へ与える影響を抑制する狙い。
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の対応
投資法人側は、今回のTOBについて「投資主価値の向上と事業協業に資する」として基本的に賛同しています。
- 買付価格の妥当性は第三者算定なし
→ 妥当性の意見は留保 - 投資主の応募は中立
→ 応募するかは投資主の判断に委ねる
(買付け後も上場は維持され、投資主は継続保有も可能)
今回のTOBのポイント
- 投資主にとっては強制売却ではない
上場廃止が目的ではないので、売却するかどうかは投資主の判断次第です。 - TOB価格は6月27日の終値(75,400円)比で+15%のプレミアム
安値で拾えていた人にとっては、このタイミングで売却の選択肢もあります。 - 再エネ分野の成長戦略に注目
ヒューリックの蓄電池・再生可能エネルギー拡大の一環として、長期的なシナジーが期待されます。
管理人の投資判断
今回のTOBは、ヒューリックの純投資としての位置づけとカナディアン・ソーラーとの協業強化を目的としたものです。
投資主(ホルダー)としては、自分の投資方針に合わせて以下について判断する局面です。
- プレミアム付の売却で利益確定するか
- 上場維持を前提に今後の成長を見守るか
個人的には、取得額に対してまだまだ含み損の状況ですので、しばらくは保有継続します。
今回のTOBは非常にポジティブなニュースで、インフラファンド全体に好影響を与えると感じます。個人投資家ばかりで機関投資家が少ないという課題感があった中で、ヒューリックという大企業が参入することは、インフラファンドには保有する価値があるという一定の安心感につながります。
このため、私が保有する他のインフラファンド、ジャパンインフラやエネクスインフラも追随して株価(投資口価格)が上がってくれることを期待しています。
現在これらも大きな含み損となっていますが、それこそTOBが発表されれば一発逆転の可能性もあると思います。
あくまで資産全体の一部までの投資にとどめるという条件の中で、分配金をもらいながら気長に保有し続けたいですね。
カナディアンソーラーについては以下の記事にて解説していますので、ご参照ください。
以前、タカラレーベンインフラ投資法人でTOBがあったことから、どこかのインフラ投資法人でもまたTOBがあるのではないかと予想していましたが、このタイミングで来ましたね。
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の事業詳細についてはここでは割愛しますので、投資を検討されている方は事前によく調査なさってください。
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